今日のYahoo!ニュースに「早期リタイヤ「FIRE」を目指す人が急増。できる人とできない人の差」というタイトルの記事が掲載されていました。
とても興味深く読み、参考になった記事でした。
しかし、この記事の中に、住宅に関して気になる箇所がありました。
FIREでは家はコストの塊だと説きます。家を持つと住宅ローンの支払いだけでなく、火災保険、税金、維持費を払う必要があります。FIREを目指すなら家を買うことは、成功までの時期を遅らせる一因になります。もしFIREに失敗した場合、生涯の住居費をどのように捻出するか考える必要があるでしょう。
実家ぐらしを継続したり、親亡き後自宅を相続して暮らすなどの選択肢がなければ、住宅ローンが組める間に家を買う必要があるでしょう。家を買わないという選択は、FIREの本気度合いを図るバロメーターといえるでしょう。
bizSPA! フレッシュ
この記事では、FIREのためには持ち家を買わないことを勧めているように読めました。
しかし、筆者の持論は、この記事とは違います。
まず大前提として、FIRE資金を溜めている段階では、社宅があれば社宅に住むなどして、可能な限り住宅コストを抑えることは有意義です。
(なお、早めに自宅を購入し、働いているうちに住宅ローン減税の恩恵を受けるというのも有効です。)
しかし、実際に退職してFIRE生活に入るためには、FIRE後の住宅を決め、住宅コストを確定させたうえで目標資産額を定めることが必要になります。家が決まるまでは、資産の目標額も仮のままなのです。
FIRE後に賃貸住宅に住むと、以下のようなリスクを抱えることになります。
- 家賃が改定されて増額する可能性
- 更新料や家賃保証料等の発生
- 大家さんの都合による退去リスク(建て替えなど)
賃貸住宅にこのようなリスクがあることを踏まえると、FIREを実現するうえでは、持ち家を購入する方がメリットが大きい(計画から乖離しにくい)というのが私の持論です。
しかも、持ち家の購入に当たっては、できるだけ頭金を減らし、フルローンをお勧めします。
FIRE後はローンを組むのは難しいので、安定した職業についているうちにローンを組みましょう。
これをお勧めするのは、以下のような理由です。
- 長い目で見れば賃貸より安上がり。
- 米国株インデックス投資なら、住宅ローンの金利より高い平均利回りを期待できる。
- いざという時、「売却」または「賃貸に出す」という選択肢を持てる。
つまり、住宅ローンを一括返済しようと思えばできるだけの十分な資産を築いたうえで、それを住宅ローンよりも高い利率で運用することで、レバレッジを利かせるわけです。
ただし、大暴落が発生し、資産が目減りしたとしても、ローンの支払いのために資産を取り崩す必要が生じます。これは、強靭なメンタルが必要になります。それでも、4%ルールでのFIREを志した自分を信じ抜くことが大切です。
立地や間取りなど、妥協しても構わないので、FIRE前にマイホームを手に入れることを強くお勧めします。
また、戸建てよりもマンションをお勧めします。戸建ては、老朽化や災害などにより資産価値が棄損されるリスクが高く、計画以上の出費が発生するリスクが高いです。