ビットコインの価格に大きな影響を与える指数の一つに「ハッシュレート」というものがあります。
ビットコインの今後の相場を予想するためにも、ハッシュレートについて理解を深めることは大切です。
この記事では、ビットコインのハッシュレートについて、初心者でも理解しやすいように丁寧に解説します。
ビットコイン(BTC)のマイニングとは?
ビットコイン(BTC)のマイニングとは、ビットコインの「ブロック」を新しく生成することです。
ビットコインは、すべての取引のデータが、「ブロック」の中に記録されます。
そして、その「ブロック」を新しく生成するためには、膨大な暗号計算が必要となります。
膨大な計算を行うことで、新たな「ブロック」を生成することを「マイニング」というのです。
この計算を行う人のことを「マイナー」よ呼びます。
新たなブロックの生成に成功したマイナーは、高額な報酬をビットコインで受け取ることができます。
報酬を目当てに、世界中のマイナーたちが、24時間365日、膨大な計算を続けています。
この計算のおかげで、ビットコインのネットワークが維持されているのです。
ハッシュレートとは?
ビットコインのハッシュレートとは、マイナーたちの計算能力のことです。
ビットコインのマイニングでは、「大量にハッシュ計算を行い、条件に合うハッシュを見つけ出す」という計算を行っているのですが、その「ハッシュ計算」を1秒間に何回行うことができるか、という数値がハッシュレートで、単位は「Hash/s(H/s)」です。
ハッシュレートは、長期的には上昇を続けています。
2021年上半期までのハッシュレートの最高記録は、約180EH/sでした。
Eは「エクサ」です。1000のことを「キロ」と言いますが、1000倍になるたびに「キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、エクサ」と増えていき、エクサは100京のことです。
180EH/sは、1秒間にハッシュ計算を1.8垓回行う能力ということになります。
1.8垓というのは、1兆の1.8億倍のことです。とんでもない数字ですね。
ディフィカルティーとは?
ディフィカルティーとは、ビットコインのブロックを生成するための計算の難易度のことです。
ビットコインは、約10分ごとに1ブロック生成される仕組みになっています。
しかし、マイナーの計算能力は必ずしも一定ではありません。ハッシュレートが上がるとブロック生成のスピードが上がり、ハッシュレートが下がるとブロック生成のスピードが遅くなってしまいます。
そこで、ビットコインには、マイニングの計算難易度を自動的に調整することで、ブロックの生成スピードを極力一定に保とうとする調整機能が備わっています。
ハッシュレートとビットコイン価格に相関はあるのか?
ハッシュレートとビットコインの価格は、特に2017年頃までは、強い相関があるとされてていました。
ハッシュレートは上昇傾向が長期間続いています。
ビットコインの知名度が年々上がることに寄りマイニングに参加するマイナーの数が増えていることや、コンピューターの性能の向上などが、ハッシュレート上昇の理由です。
マイニングには、高価なマイニングマシンやコンピューターが必要なうえに、大量の電力を消費します。
更にマシンを設置する場所などのコストも必要であり、マイナーは多額の経費を払いながらマイニングを行っているのです。
ビットコインの価格が上昇しない限りは、マイナーには利益が出なくなってしまいます。
マイナーは、ビットコインの価格が将来は上昇すると予測し、必要経費を差し引いても利益が生じると判断しているからこそ、マイニングに参加しているのです。
逆に、ビットコインの価格が下がると予想される場合は、必要経費で赤字になってしまうリスクがあるため、マイナーはマイニングから撤退します。すると、ハッシュレートが下がります。
このように、大勢が値段が上昇すると予想している場合はハッシュレートが上がり、下落すると予想している場合はハッシュレートが下がるのです。
2018年以降、ハッシュレートが上昇し、ビットコイン価格が下落するという場面もありました。
しかし、それでもハッシュレートは、現在でもビットコイン相場の方向を予測するための大事な指標とされています。